竹富島は一年中、祭事行事が執り行われています。
祭事の全ては農耕に関する祭祀、行事の多くは祝賀会などのお祝い事です。
祭事はニーラン神石にて穀物の種子を持ってきたニライカナイの神様を迎える
「世迎い(ユーンカイ)」から始まり、島最大の祭「種子取祭(タナドゥイ)」では
2日間にわたり舞踊や狂言などの芸能を神に奉納します。
その他にも収穫感謝の豊年祭や祈願成就を祝う結願などがあり
祭事の日程はかつての農歴に準じています。
一方、米寿生年合同祝賀会という行事では、老若男女の健康や長寿を祝います。
特に「マンダラーヨイ」と呼ばれる97歳のお祝いでは
若返りの象徴である風車などを装飾し、島を挙げてお祝いをします。
種子籾を携えた神々を迎える
世迎い
竹富島では、旧暦8月8日にニライカナイ(海のかなたにある理想郷)から神々が訪れ、穀物の種子を授けてくれると伝えられており、この日に「世迎い」が斎行されます。ニーラン神石で神々を迎えた後、島内最高の聖地と言われる小底場(クックバー)に登り、八重山中に穀物の種子を配ります。集落では住民が役員一行を迎え、ガーリを行います。
大地を清め井戸に感謝する
節願い(節祭)
節願いは、旧暦7月~8月の「己亥(つちのとい)」を願い日と定め、大地を祓い、井戸に感謝する一年の節目となる祭です。他の祭り大きく異なるところは、公民館執行部と神司が3か所の御嶽を参拝したのち、島内25か所の井戸を分担して祈願します。夕刻には彌勒奉安殿の扉が開き、ミルク神がお出ましになります。
豊作と住民の健康を祈願
十五夜
旧暦8月15日に行われるのが、男の子の祝日とされている十五夜(ジングヤ)です。竹富島の3集落は旗頭を組み立て祈願ののち、旗頭を先頭に竹富小中学校校庭に集い十五夜の祭典が挙行されます。祭典では、棒術の演武や芸能などが披露され、最後は綱引きを行います。夜は集落ごとに十五夜の餅やススキを供え観月会が行われます。
作物の生長を祈願
九月大願い
旧暦9月の2日間にわたり、諸作物の生長や人々の安寧を祈願する祭です。盃には三枚の菊の葉を浮かべ御神酒を頂きます。初日は神司による御嶽での夜籠り。翌日は早朝より彌勒奉安殿からはじまり17か所の御嶽を参拝し五穀豊穣を願います。
種子蒔きの祈願
種子取祭
竹富島最大の祭である種子取祭(タナドゥイ)は、国の重要無形民俗文化財に指定されています。祓い清めた畑に粟の種子を蒔き始める農耕儀礼で、旧暦9月~10月の「戊子」を祈願の日と定め、10日間にわたって執り行われます。7・8日目は舞踊や狂言などの芸能が世持御嶽神前にて奉納されます。
火災水難防止の祈願・感謝
十月祭
別名「高火の願い」と言い、火災や水難がおこならないように祈願する災害防止の祭礼です。このことから御香の一部は火をつけずに束のままお供えするのが特徴です。現在では、竹富島の土地や島に関わる人々に病魔が近づかないように祈願する「ハナッキの願い」も行われています。
作物の豊作を祈願
ナーキ祝い
ナーキヨイと呼ばれる作物の生長を祈願する祭では、シュナイと呼ばれる九つの供物を神様に捧げます。また、ムチャネーという糯米に粟を入れて炊き、小豆を混ぜて丸くしたお餅のようなものを供えるのも特徴です。願い始めと伝わるナーキ祝いでは、古式拝礼の三十三拝を行います。
鉄器・農具への感謝
鍛冶屋ぬ願い
旧暦11月7日に行われる鍛冶屋ぬ願いは、ンブフル丘北側にある鍛冶屋御嶽にて斎行されます。この御嶽には、鍛冶に必要な火・水・風の3つの香炉があります。サンゴ礁が隆起してできた竹富島では木製の農具では畑を耕すのは大変困難で、鉄製の農具は生産性を向上させました。こうしたことから、鍛冶屋へ感謝する大切な祈願です。
ニンニクのように作物生長の祈願
ピルズマ
奇祭と呼ばれる祭のひとつで、御嶽を移動する神司一行の前で徹底的な人払いをします。これは、一行の歩みを遮る人は病死し、その行為を許した神司にも災いがもたらされると伝えているからです。また、御嶽で包丁を使ってニンニクの味噌和えをつくることもこの祭りの特徴です。
粟の出穂への感謝
二月祭
別名「タニイリヌニガイ」と言われ、種子の蒔き入れの願いを行う祭りです。すべての草葉への感謝、麦や粟の豊穣祈願をする二月祭は、年度最後の祭となり、神司のみなさんが、「一年間お疲れさまでした」と公民館執行部をねぎらいます。
作物の生長を祈願
四月大願い
新年度初めての祭として執り行われます。年間3回行われる大祭のひとつで、田畑に植え付けた作物が出穂し稔りを祈願する祭です。初日は神司が御嶽に一晩中籠り祈り続ける「夜籠り」が行われ、2日目は17箇所の御嶽や拝所を参拝します。
粟の出穂への感謝
四月祭
四月祭は、初穂の稔りに感謝する祭です。昔は新粟を供えていましたが、現在では新米を供えています。この祭を含め、年間5回「ウブ入り」という儀式を行います。「ウブ」は御嶽の最も重要な聖域とされ、神司と補佐役の女性だけが入ることができ、男性は入ることが許されない場所です。
西塘様へ五穀豊穣の感謝
西塘ばんはじり
西塘ばんはじりは年度2回目の大祭で、竹富島最大の偉人、西塘(16世紀頃)の遺徳を偲ぶ感謝祭です。西塘御嶽に祀られている西塘大主は、竹富島住民から崇敬され、一番身近な神様と言えるかもしれません。祭は2日間行われ、初日は公民館執行部と有志が神司の待つ3つの御嶽を参拝し、神司は夜籠りも行います。2日目は17箇所の御嶽や拝所を参拝します。
氏神様へ五穀豊穣の感謝
プイ(豊年祭)
西塘ばんはじりから10日後に行われるのが、五穀豊穣の感謝を伝えるプイ(豊年祭)です。オンプイ(初日)は六山の氏子がそれぞれの御嶽を参拝します。トゥヌイプイ(2日目)は、「プイの道歌」を歌いながらニーラン神石を皮切りに各所の参拝を行います。道中、仲筋集落や玻座間集落の入口で住民がガーリ(喜びの舞)を繰り返します。
ミルク神への感謝・祈願
七夕願い
七夕願いは彌勒奉安殿を参詣し、竹富島の五穀豊穣富貴太平の福の神として崇めるミルク神の御面を拝見し、衣装・道具の虫干しを行います。彌勒奉安殿は「ウブ」とは逆で女性がミルク神に近づくことは禁止されており、神事は男性のみで行います。
ご先祖様や故人の供養
ショーロ
ショーロは旧暦7月13~15日の3日間にわたり行われ、ご先祖様があの世から帰り共に過ごします。夜はアンガマと呼ばれるクバ笠と手拭で顔を隠したあの世からの使者が各家を周り、歌い踊り祖霊と一緒に楽しいひと時を過ごします。最終日には、ウチカビと呼ばれる紙でできたお金を燃やして祖先を送ります。
一年の願いを解く感謝祭
結 願
結願は一年間の願いを解く祭として旧暦8月最初の壬(みずのえ)癸(みずのと)の2日間にわたり行われます。初日は神司が御嶽で夜籠り(ユングマイ)を行います。2日目は18御嶽、23箇所を参拝したのち、清明御嶽(マイヌオン)にて芸能を奉納します。「芸能の島」と称えられる竹富島ですが、奉納芸能は、結願と種子取祭の2回しかありません。





















