平成28年結願祭と世迎いについて
今年の結願祭(キツガン)は9月7,8日、世迎い(ユーンカイ)は8日に執り行われます。
一年間の願いを解く願解きの祭である結願祭は、
明治8年、当時の役人であった知念与人によってはじめられたと
伝えられています。
旧暦8月第一“みずのえ”“みずのと”の日を願日と定め、
2日間にわたって執り行われる神事についてご紹介しましょう。
初日は、
清明御嶽(玻座間御嶽神司・仲筋御嶽神司)
幸本御嶽(幸本御嶽神司・花城御嶽神司)
西塘御嶽(久間原御嶽神司・波利若御嶽神司)の3御嶽に、
夜籠りし、香の灯を絶やさぬようにします。
結願祭では、
同じように神司が夜籠りする四月大祭・西塘ばんはじり・九月大祭とは異なり、
有志の夕刻の参拝はありません。
二日目早朝より、
竹富公民館執行部ならびに島の長老、役職経験者からなる有志一行は、
以下の拝所を参拝し、竹富公民館では全部で23の供物を用意します。
01 彌勒奉安殿 (1供物・與那國屋当主・大山屋当主・執行部・有志)
02 玻座間御嶽 (1供物)
03 世持御嶽 (2供物)
04 仲筋御嶽 (1供物)
05 幸本御嶽 (2供物)
06 国仲御嶽 (1供物)
07 久間原御嶽 (1供物)
08 花城御嶽 (1供物)
09 波利若御嶽 (1供物)
10 西塘御嶽 (2供物)
11 清明御嶽 (2供物 有志の参拝終了)
12 美崎御嶽 (1供物・玻座間御嶽・波利若御嶽神司)
13 親泊御嶽 (1供物・玻座間御嶽・波利若御嶽神司)
14 ニーラン (2供物・仲筋御嶽・幸本御嶽神司)
15 東美御嶽 (1供物・久間原御嶽・花城御嶽神司)
16 西美崎御嶽 (1供物・生盛屋当主)
17 真知御嶽 (1供物・執行部・久間原御嶽・花城御嶽神司)
18 根原屋 (1供物・執行部・玻座間御嶽・仲筋御嶽・波利若御嶽神司)
19 清明御嶽 (執行部・神司合流)
19の参拝が終了したのち、
8日は旧暦の8月8日にあたるため、世迎いを執り行います。
ニライ・カナイ(八重山ではニーラスク・カネーラスクと云う)から訪れた
神々から穀物の種子を授かり、
八重山中に種子を配る儀式である世迎い。
竹富島の年間祭事行事は世迎いから始まると云えます。
今年の9月8日は、
1年の願いを解く「結願」、1年の始まりである「世迎い」が重なる一日となります。
昼過ぎにニーラン神石を参拝し、トンチャーを謡います。
その後、仲筋村に入りガーリ、幸本御嶽東の小底場に上がり参拝し、
玻座間村に入りガーリ、西塘御嶽前でガーリを行い、
世迎いの儀式を終了します。
2011年、結願と世迎いが同日に執り行われた際のニーランでの参拝。
昼過ぎに執り行われる世迎いは滅多にありません。
結願と世迎いが重なった2011年は、ニーランに大勢の見学者が訪れていました。
世迎いを執り終えたのち、清明御嶽にて奉納芸能が執り行われます。
今年も幕舎がスムーズに組み立てられるよう整備が進められ、
今年度は東集落の踊り幕が提供され、奉納に彩りを添えます。
今年も結願のジーキョンギン(例狂言)である
始番、芋堀狂言、
3集落から各2点の合計8点の芸能が奉納されます。
(ta)