子ども祭事教室「結願祭」の開催
昨日(17日)集落内のこぼし文庫にて
祭事教室「結願祭」を開催いたしました!
今年は8月29・30日に執り行われる結願祭の2点の奉納芸能
にスポットをあて、子ども向けでの開催です。
結願祭で必ず奉納されるのが
「始番(しばん)」と「芋堀狂言(いもほりきょんぎん)」。
この狂言(キョンギン)のセリフは全てテードゥンムニ(竹富島言葉)です。
演者の動きでなんとなく意味は分かるものの、
実際はどんなことを言っているのだろう?
ということで、実際に演者の方をお招きし、
セリフの意味をお話しいただき、
子どもたちに奉納を理解してもらおうと企画しました。
小雨がぱらついたあとの午前10時頃から、続々と子どもたちが集まります。
子どもたちは19名、大人は9名、総勢28名に参加していただきました。
まずは、スタッフからプロジェクターを使って結願祭についての説明、
さらに、2002年の奉納のダイジェストを視聴します。
そして「始番」について、総指揮前(シュッキヌマイ)役の
有田政司氏に解説していただきます。
「始番」は、結願祭の奉納においてもっとも重要な狂言。
老人4名が子や孫とともに清明御嶽の神々の前で、
謡い踊りながら神から賜った豊穣に感謝する芸能で、
ジーキョンギン(例狂言または呪狂言)のひとつです。
セリフが長く、かつ重みがあるため子どもたちに伝えにくいところを
一生懸命かみ砕いてご説明していただきました。
また、最後に子どもたちにニガイフチ(願い口)を披露していただきました。
有田政司さん、有難うございました!
引き続き「芋堀狂言」を
宇根勝末 竹富結願祭狂言部会長に解説していただきました。
「芋堀狂言」は、年頃の女性2人が、
結願祭の準備が忙しい人々のために炊き出しをしようと
芋を掘りだしに行き、掘り出した芋をかつぎ(男性1人)
に持って行ってもらうストーリーです。
女性役の笑いを誘う軽妙なトークと所作が大変難易度が高く、
演者からはもっとも難易度の高い狂言のひとつと云われています。
ちなみに、笑いを誘う滑稽な狂言をバラシキョンギン(笑し狂言)といい、
神と人とがともに笑い楽しみながら豊穣を祝い、
笑顔で新たな一年を迎える意味が込められているのではないかと推測されています。
今回は、笑いの“ツボ”について宇根勝末さんからご解説いただき、
ご参加いただいた狂言部のメンバーとともに実際に演じてみました。
子どもたちにこぼし文庫を寄贈してくれた
岡部伊都子さんも楽しんでいただけたと思います。
今年の結願祭は夏休み期間中とあり、
結願祭奉納の見学を地域行事の参加に取り組んでいる
学校の教育カリキュラムの一環ではなく、子どもたちの自主見学となります。
大切なのは「本物」に触れ続けること。
それが重要であると竹富島では伝えています。
その竹富島の考え方にゆがふ館の活動が担えることができたら、
大変嬉しくあり、ありがたく思います。
今回ご協力いただいた、
講師の有田政司さま、宇根勝末さま、
竹富結願祭狂言部、竹富小中学校PTA、こぼし子ども育成会の皆さま
シカイト ミーハイユー
(ta)