ユーンカイ(世迎い)とシチマツリ(節祭)

本日、9月20日は

旧暦8月8日で干支は「つちのとゐ」の日にあたります。

竹富島では

旧暦8月8日に執り行うユーンカイ(世迎い)と、

つちのとゐの日に執り行うシチマツリ(節祭)が同日に行われています。

 

午前7時、竹富公民館執行部と神司は西桟橋とコンドイ浜中間に位置する、

トゥードイ浜のニーランカントゥイ(神石)前よりユーンカイの祭祀を執り行います。

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ユーンカイは、ニーラスク・カネーラスクより来訪した神々から種子籾を授かり、

ハヤマワリハイタチの神に頼んで、クックバー(小底場)にのぼって

種子籾を八重山中に配ったとの伝承に由来します。

ユーンカイでは、

竹富公民館役員と神司しか足を踏み入れることができない

竹富島最高の聖地であるクックバーにのぼることと、

神司が黄金色のバシャシンを身にまといます。

 

神司が黄金色のバシャシンを身にまとうことは、

ユーンカイとタナドゥイ(種子取祭)、トゥヌイプイ(豊年祭二日目)と

年に3度しかありません。

それぞれの祭祀には神歌があり、

ユーンカイ=「トンチャー」

タナドゥイ=「世乞い唄」

トゥヌイプイ=「豊年祭の道唄」

ユーニンガイ(世願い・新しい世の意)の祈願であると考えられます。

 

新たな世を迎え、豊かな世の中になることを願う思い。

小さな島で、痩せた大地に暮らす竹富島の人々は、

年に3度も「新しい世」の到来を祈願し、心待ちにしていたのでしょう。

 

ニーランでの祈願を終えた竹富公民館執行部と神司は、

仲筋村に入り仲筋村住民と共にガーリを舞い、

幸本御嶽と東側のクックバーへ参拝します。

その後、玻座間村に入り、仲筋井戸の前で玻座間村住民とガーリを舞ったのち、

西塘御嶽前でガーリを舞い、ユーンカイの祭祀は終了します。

 

ユーンカイを執り終えた竹富公民館執行部と神司は、

直ちに節祭の祈願を執り行います。

国仲御嶽、西塘御嶽、清明御嶽、ネーレ(根原屋)を参拝し、

特にネーレでは、タナドゥイの祈願の日が49日後に行われることを

ザー(床の間の神)にお知らせします。

しばしの休憩後、午後1時より一行は分担して25か所の井戸を参拝します。

シチマツリはいにしえの正月と云われ、土地を清め井戸に感謝する祭で、

往古は3日間にわたった執り行われていました。

DSC07997 玻座間御嶽神司:ミシャシカーでの参拝

DSC07992 仲筋御嶽神司:コインカーでの参拝

DSC07982 久間原御嶽神司:ガイセンカーでの参拝

DSC08003 花城御嶽神司:ミッチンガーでの参拝

DSC07983 波利若御嶽神司:スンナーカーでの参拝

25か所の井戸の参拝を執り終えたのち、

竹富公民館執行部は、與那國家、大山家の当主、有志と共に

18時より彌勒奉安殿にて弥勒の参拝を行います。

奉安殿の扉は年に7度開きますが、ミルク神の御面がお出ましになるのは

そのうち3度。そのひとつがシチマツリです。

(ta)