なごみの塔

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竹富島のまちなみを一望できる観光スポットとして
多くの来島者が登降する「なごみの塔」は、
平成18(2006)年3月に国の登録有形文化財に指定されました。

なごみの塔は1953(昭和28)年、
「放送台」として西集落(いんのた村)住民により建立されています。
太平洋戦争終結後の竹富島は台湾や本土などからの帰省者で溢れかえり、
一時は2,000名を超える人々が暮らしていました。
こうしたなか、東・西・仲筋の3集落では、
食糧難を乗り越えるためや島の秩序を維持するために
互いに様々な活動を行っていました。

1949(昭和24)年、老朽化した放送台を建て直すために思案していた
いんのた村の人々は、
同じく西集落有志で構成する一和会が購入した赤山丘の土地を譲り受け、
ゴミ捨て場となっていた赤山丘を公園とし、
集落の人々に憩いの場を提供するばかりでなく、
なごみの塔をはじめ、星見石や石馬、太鼓石も配置し見事公園化に成功します。

なごみの塔は建立後、
放送台としていんのた村の住民ばかりでなく、
島民にも活用されていました。
音響設備が整った現在では放送台としての役割を終えていますが、
多くの観光客が憩う展望台として今もなお多くの人に愛されています。

ちなみに「なごみ」とは、
「集落の総ての人が肩を寄せ合って仲良く暮らすように」
との願いを込めて命名されています。

参考資料:『竹富町史第2巻竹富島』竹富町教育委員会総務課町史編集係 発行

(ta)