・土地利用の法則・

気候は、亜熱帯モンスーン気候で、12月から3月ごろまでの雨季、5月初旬から6月中旬までの梅雨、7月下旬から9月ごろまでの台風と、降水量の多い地域であり、また年間平均気温が24℃で、特に夏場は連日、高温多湿となります。この温暖で湿潤な気候は豊かな海産物や熱帯果実を育んでいます。

地形・地質は隆起珊瑚礁で、大部分はわずかな土と腐葉土だけであり、一部に古成層と呼ばれる肥沃な層が見られます。また島の外側は、サンゴ礁によるリーフに囲まれており、遠浅の砂浜もしくはリーフの岩礁やタイドプールが広がっています。このような地形は、水はけがよい反面、生活するために必要な水を確保することを困難とするため、飲料水や生活用水の確保はもちろんのこと、農作物の生産性も低くしています。
海の畑「リーフ」
自生するパパイヤ  島バナナ

このような自然環境の中で、人々が持続的に生活を営む中、同心円状に島の土地を利用する法則が生み出されました。小さな島であるため、井戸の水にも海水が混ざりやすいのですが、島の中央部分では比較的よい水を手に入れることが出来るため、中央のエリアが集落として利用されています。そしてその集落を風や潮からまもるようにして防風林のエリアが取り巻いています。また、海岸近くにも島を取り巻くように防風林(保安林)が形成されている場所があります。ここは集落と海岸との間に広がっている畑(雑穀、野菜、豆類、サトウキビなど)や茅場といった生産エリアをまもるためのものです。ただ現在この生産エリアは、少しの畑や牧場として利用されている以外は、ジャングルになってしまっており、特に目立つのは、かつて、生育が速いので薪材としてアメリカ軍が持ち込み、海岸沿いの防風林の内側に植樹した「ギンネム」という外来種です。
島を取り囲むリーフの浅瀬は、タコやアオサ、もずく、小魚といった日々の食事や祭事で使われる生物を獲るためのエリアになっており、特に利用頻度が高い場所には名前が付けられています。狂言『スル掬い』という島の伝統芸能の中では、キビナゴ(スル)をすくうことが出来るほど資源豊かな「海の畑」として「コンドイのバタ」が登場しています。

アイヤルミチ
カイジ浜の保安林
海を望む亀甲墓
このような大きなエリアでの土地利用以外にも、お墓をつくる場所は海に近いところが選ばれ、海を望むようにたてられています。
また集落の道などに敷くサンゴの砂をとる「キトッチ」や、布さらしをする「ヌヌシャー」といったように海岸にもそれぞれの使われ方によって名前が付けられています。また、集落からそれぞれ海岸へいくための道がつくられており、それぞれの道にも名前があります。この場合たいていは「カイジミチ」というように、海岸の名前を由来にしています。
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