・自然の脅威から守る知恵・

竹富島に限らず、台風の多い沖縄の南西諸島で防風林として有名な常緑高木の広葉樹がフクギです。フクギは、空に突き上げるように高くまっすぐに樹幹が伸び、肉厚幅広の楕円形の葉が鎧のようにびっしりとまとわりついています。濃い緑が伝統的な赤瓦の屋根や、南国特有の強い陽射しと青い空に映えます。成長が遅いがしっかりしたこの樹木が、台風の強風や塩害から家屋を守ります。建築資材はもとより、樹皮に黄色の色素を含むため染料としても使われています。春には、直径1.5センチほどの黄白色の花をたくさんつけます。

フクギの防風林
フクギの花
木造軸組

家屋の構造にも工夫がみられます。フーヤ(主屋)とトーラ(台所)の軸組は、キクメ石と呼ばれる珊瑚石礎石上に一間または半間おきにキャーギ(イヌマキ)の柱を建て、内法貫と頭貫で固めて梁と桁で繋ぐヌキヤと呼ばれる構造形式を示すのが基本です。四隅には貫を通した板壁を鍵の手に設け、台風時の横力に備えるのが基本でした。茅葺の場合は、やや勾配を急としてアマハシまで軒を低く降ろし、アマハシ周りの四隅を貫で固めて板壁とし、台風に備えていました。また、庭より道の方が低くなっており、雨水が庭にたまらないような工夫がされていました。道路はサンゴ砂を敷きつめているために、水溜りにならず地下浸透していきました。しかし、これも、近年の下水工事の影響で、一部庭に道路の雨水が流れ込んでくる場所がでてきてしましました。次回の交換工事の時には原点にたちもどり、先人たちの知恵を活用したいと考えています。

キクメ石
大きな屋根
井戸

台風も脅威でしたが、水不足はもっと脅威でした。山もなく川もない隆起サンゴ礁でできた島なので、水はたいへん貴重なものでした。石垣島からの海底送水が引かれるまでは、「水の一滴は血の一滴」と言われ、歯磨きの時などに水を流しっ放しにすることは決してありませんでした。昔は、一番高い(24メートル)ンブフルの丘に貯水タンクをつくって、ナージカー(仲筋井戸)の水をポンプアップして、自然流下で各戸に給水をしていました。飲み水に困らなくなった今も、こどもたちや新住民たちに資源の大切さを語り続けています。

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